小規模多機能型居宅介護に関して

小規模多機能型居宅介護に関して

地域密着型の代表的なサービスとなります。
認知症通所介護から始まった、認知症ケアを、更に機能的に向上した
【認知症の究極のサービス】と言っていいでしょう。

【認知症対応型通所介護と訪問介護の限界】

認知症状の【強い症状】が出ている利用者をケアしていくと、様々な【限界】がきます。

酷い物取られ妄想
極度の介護拒否
常時徘徊
攻撃的な認知症
常時の大声
これらが複合的になっている場合

等の認知症の【強弱】によって、同居している家族が耐えきれない程の負担とストレスをかかえます。
そのため、まずは【通所介護】と【訪問介護】の利用を実施していきます。

中心となるサービスは通所介護となり、先ずは【介護者の負担軽減】を早急に行います。
週1回から始めて、馴染んだところで回数を可能な限り増やしていきます。
また、補佐的に訪問介護を利用する事で、家族の出来ない細かな生活面でのケアを行っていきます。
短期入所介護(ショートステイ)を定期的に利用する事で、さらに家族負担を軽減します。

しかし、認知症の症状がピークに向かって進行していく過程で
【計画的に行うサービスの限界】がきます。

通所介護(デイサービス)から帰ってきてから、帰宅後の家族介護(認知症のケアは夜間帯に集中する事が多いです)
サービスが無い、時間帯や曜日の家族の介護負担
かなり前に予約した日しか利用できない短期入所介護(ショートステイ)利用

これらの【介護保険で行う計画的で効果的なケアプラン】では
強い認知症の症状が現れている期間は対応しきれない事があり
やもなく【在宅介護の限界】を迎える事があります。
そこで、この認知症の強い症状が出ている時期に何とか家族の負担を軽減しつつ、本人に最良なサービスを提供する事が出来ないか?と考えられたサービスが

① 認知症の症状を最小限に抑える【小規模で手厚い介護】

② 進行する認知症の症状に即座に、対応するため【通所介護の情報】と【訪問介護介護の情報】を【共有、連動、連携、同時】に   提供できるように、同じ事業者から通所と介護サービスを提供する

③ 利用者のその日の認知症の【症状の強さ】によって、帰宅が困難な場合はそのまま、馴染みの通所施設とスタッフがいる場所で   【柔軟に宿泊】する

小規模で多機能な究極のサービス【小規模多機能型居宅介護】が介護保険の制度として誕生しました。

しかし、圧倒的に【通所介護サービス】の方が事業所数が多いのと、通所介護で自主的に始まった【宿泊サービス】によって
小規模多機能型居宅介護の【いいとこどり】をした、通所介護サービスが各地で普及し
あまり【小規模多機能型居宅介護】の良さが知られていないのが現状です。
現在、通所介護(デイサービス)で自費による【宿泊サービス】を行っているのは、この【小規模多機能居宅介護】がモデルとなっています。
現在、通所介護での【宿泊サービス】は介護保険制度上は認めれていません。
通所介護の【宿泊サービス】の大きな問題は二つありまして
【夜間の安全面や緊急時に備えが不十分】と
【人権(性別)に配慮が欠けた宿泊環境】とがあります。
夜間の安全面の設備には【スプリンクラーの設置】が有りますが
殆どの通所介護は民家改修型となりますので設置しているところは少ないのが現状です。
全ての通所介護の宿泊サービスがそうなっているわけでは有りませんので
利用する場合は事前によく契約内容や設備の内容を確認して、納得してから利用するのが良いと思います。

一方、小規模多機能型居宅介護は国が定める一定の基準をクリアしていますので
安心して、宿泊をお願いする事ができます。

今後、この通所介護の宿泊サービスの介護保険適応の是非と
小規模多機能型居宅介護の更なる進化によって
認知症ケアが大きく変わってくると思います。