【介護予防サービスの基礎知識】
【介護予防サービスについて】
H18年4月の介護保険改正で初めて「介護は悪化しないように予防する事が大切だ」という観点から
介護予防サービスという新しいサービスが始まりました。
介護予防が始まる前は
「助けが無くても自分で出来る事」や「ちょっとした手助けがあれば、何とか出来る事」を
介護支援専門員(ケアマネ)や介護認定を受けた方が、利便性を重視して
介護保険が利用できるからといって、全てお任せしてしまうと
身体機能の低下や生活の質の低下、社会とのかかわりの喪失を招いてしまうとの事で。
「自分で出来ることは可能な限り自分でやりましょう」という考え方を最重要視して
「要介護状態にならないように予防するサービス」の提供を主体にしています。
具体的には「一緒にやりましょう」「一部のお手伝い」「危なくない様に側で見守りながら」など
「利用者主体でサービスを提供する」事が介護予防サービスを受ける上での重要なポイントとなります。
わかりやすい事例は
「夫」と「妻」の家庭での役割の差が、もっともわかりやすいと思います。
「男性」が定年を迎えると、よっぽど長く続けている「趣味」でもない限り、家庭で何もしなくなり、テレビ漬けになります。
一方「妻」は、三度の食事の準備に買物、掃除に洗濯、近所の奥さん方とのおしゃべりなど、一日、忙しく動き回ります。
この差が、半年、一年、二年続くと、なにもしない「夫」の足腰は弱りますし、気が付いたら認知症が進行している・・・
相談内容で最も多いケースはこのパターンです。
このパターンを予防するにはどうしたらよいでしょうか?
答えは、なんでも「妻」任せにしないこと、ですね。
例えば、買物は夫の役割にする、洗い物は手伝う、掃除は場所を決めて任せる・・・
「夫が出来る事は夫がやる」という、予防を実践していかないといけません。
この場合、「妻」は、時間がかかっても手出し、口出ししない、とか、上手にできなくても怒らない、
などの配慮が必要だと思います。
目的は、あくまでも「夫」の日常生活能力の向上であって、
「妻」の家事が楽になるということが目的ではないのでですから・・・
では、女性の方はどうでしょうか?
女性で違いがでるのが、「同居家族がいる」か「一人暮らし」か、の差が大きいです。
同居家族がいるのは、メリットも大きいですが
時間がかかる、上手に出来ないからと言って「女性から家事を取り上げる」と
一気に身体能力と生活能力が落ち込みます。
一人暮らしの方たちに共通していえるのは、「手伝ってくれる人がいないので、仕方なく自分でやる」事です。
この差が、半年、一年、二年と年数を重ねると、女性の身体能力は低下しますし、認知症も進行します。
これを予防するには、
「時間がかかってもいいので出来る家事は任せる」「失敗しても怒らない」事です。
目的はあくまでも「家事能力の維持」であって
あなたの、家事の負担を軽減することが目的ではないのですから・・・
【介護予防サービスの種類:概要】
1 介護予防訪問介護:ヘルパーが訪問して、介護予防を目的とした「一緒に」行う日常生活上の支援
2 介護予防訪問看護:看護師が自宅を訪問して熱、血圧測定や療養上必要な診療補助を行います
3 介護予防訪問入浴:特殊浴槽を自宅に持ち込むことにより、入浴ができます
4 介護予防訪問リハビリ:リハビリの専門職が自宅に訪問して、生活上、必要なリハビリを行います
5 介護予防通所介護:3時間から7時間の間、通所施設に通い、昼食、入浴、体操等のサービスを、送迎付きで行います。
6 介護予防通所リハビリテーション:リハビリに必要な器具をそろえた施設に3時間から7時間通い、必要なリハビリを受けます
7 介護予防居宅療養管理指導:医師、歯科医師、薬剤師が自宅に訪問して療養上必要な管理や指導を行います
8 介護予防福祉用具貸与:日常生活の自立の助け、又は向上のため、必要な福祉用具を借りることができます。
等があります。
介護予防サービスは、基本的に介護サービスと同じサービスをご利用する事ができますが
介護予防サービスは、サービスの種類によって【制限】があります。